自民・公明・立憲の3党首が27日に国会内で会談し、年金制度改革法案の一部修正に正式合意しました。
焦点となっていた「基礎年金の底上げ」について、厚生年金の積立金を活用する施策を復活させる内容で、法案は今国会中に成立する見通しとなっています。
年金積立金で「底上げ」案が復活
今回の合意により、自民党総裁の石破首相、公明党の斉藤代表、立憲民主党の野田代表の3氏が、政府提出の年金制度改革法案を一部修正することで一致しました。
修正の核心は、当初政府案に盛り込まれていた「厚生年金の積立金を活用して基礎年金を底上げする」施策の復活。これは与党内で財源面の懸念からいったん削除されていましたが、物価高や生活不安が広がる中、最低限の年金生活を支える措置として再評価され、与野党の枠を超えて修正合意に至りました。
今国会での成立が確実に
この修正により、立憲民主党は法案への賛成に回る方針を明確化。これにより、与党の賛成多数に加えて、野党第一党の支持も得ることになり、法案は今国会中に成立する見通しとなりました。
厚生労働省関係者は「超党派の合意が得られたことで、将来的な制度の安定性にも良い影響を与える」とコメント。年金制度の信頼回復に向けた一歩として、政府与党は速やかな成立と施行を目指します。
世論と選挙への影響も
背景には、世論の高まりもあります。特に非正規雇用者や高齢単身世帯の生活困窮が問題視される中、「最低限のセーフティネット強化は不可欠」との声が多く聞かれていました。野党側も、次期衆院選を見据えて“生活重視”の政策転換をアピールする狙いがあると見られます。
今後の焦点は「財源」と「持続性」
ただし、厚生年金の積立金を取り崩しての底上げは、「一時しのぎ」との批判も根強く、制度の持続性に対する懸念も依然残っています。今後は、財源の長期的な見直しや、就労年齢の延長、給付の在り方などを巡る議論が本格化していくと見られます。
年金制度という国民生活の根幹に関わる政策で、与野党が一部歩み寄った今回の合意。今後の実効性や国民への説明責任も問われることになります。
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