神奈川県川崎市で、元交際相手からストーカー被害を受けていた20代女性の行方不明事件が急展開を見せた。川崎区の住宅で見つかった白骨遺体が、行方不明中の岡崎彩咲陽(あさひ)さん(20)である可能性があるとして、県警が死体遺棄事件として捜査を進めている。
■バッグの中から遺体 白骨化も確認
5月1日、神奈川県警は川崎市川崎区の民家をストーカー規制法違反の疑いで家宅捜索。捜査対象となったのは、岡崎さんの元交際相手とされる20代の男性の自宅だった。
室内で発見されたのは、ボストンバッグの中に詰められた遺体とみられるもの。遺体の一部は白骨化しており、司法解剖で身元や死因を調べる方針だ。
■岡崎さんは昨年12月から行方不明
岡崎さんは2023年12月20日の朝、自宅から忽然と姿を消した。家の窓ガラスが割られ、鍵も開いていたことから、家族は異変に気づき、22日に警察へ通報。
岡崎さんは事件前からストーカー被害を訴えており、同年11月頃から元交際相手による異常な接触や付きまといがエスカレートしていたとされる。
■「殺されるかもしれない」母へ送られた最期のメッセージ
父親によると、岡崎さんは行方不明となる前日に母へ「殺されるかもしれない」とSNSでメッセージを送っていた。
「何度も警察に相談したのに何もしてくれなかった」と語る父の言葉からは、怒りと悔しさが滲む。
弟や友人も取材に応じ、「姉ではないことを願っている」「まさかこんなことになるなんて」とショックを隠しきれない様子だった。
■元交際男性の異常行動も報告
岡崎さんの友人によると、元交際男性による暴力や監禁まがいの行為もあったという。交際時のトラブル、さらには自宅を訪れドアを激しく叩くなど、エスカレートする行動が周囲にも不安を与えていた。
■警察の対応に疑問の声も
県警川崎臨港署は当時「事件性があるかどうかは分からない」と判断。だが、岡崎さんの家族は何度も警察に相談をしていたと主張しており、対応の是非が今後問われる可能性がある。
捜査関係者は「署は対応していたが、今後、対応の適切性については精査が行われる」としている。