2025年、日本各地で刺殺事件が相次いで発生し、SNSでは「治安悪化」を懸念する声が広がっている。
4月だけでも埼玉、宮城、東京、大阪など複数の都市で刺殺事件が報道され、まるで毎週のように「誰かが刃物で殺された」という事例が投稿される状況となっている。
日本はもともと世界的に見ても殺人率が極めて低い国とされてきた。しかし、2025年はこの「常識」が覆りつつあるのではないかという危機感が出始めている。
本記事では、2025年の刺殺事件増加の実態と背景を検証しながら、日本社会が抱える深層的な課題を浮き彫りにする。
■ 2025年、刺殺事件が続発──4月だけで立て続けに発生
以下は、2025年4月に発生・報道された主な刺殺事件の例だ。
- 4月3日・埼玉県さいたま市
高校生の女子生徒が元交際相手とみられる男子に刺殺される事件が発生。 - 4月12日・宮城県石巻市
父と息子が民家で刺殺された死体が見つかり、親族間トラブルが疑われる。 - 4月16日・東京都内の飲食店
口論の末、男性従業員が包丁で同僚を刺殺。 - 4月25日・大阪市内
路上でのトラブルから、見ず知らずの男性同士による刺殺事件が発生。
SNSでは「また刺殺事件…?」「もはや日常化していて怖い」といった投稿が相次ぎ、国民の不安が顕在化している。
■ 警察庁統計から見る“刺殺事件”の増加傾向
2023年の警察庁発表によると、殺人事件の発生件数は912件。前年比で59件増加しており、2024年も**970件(+58件)**と2年連続で上昇した。
ただし、警察庁の統計では「刺殺」という手口別の件数は明記されていない。とはいえ、報道ベースで「刺殺」が占める比率は高く、体感的にも目立っている。
2025年の統計はまだ発表されていないものの、報道件数をベースにすると、4月時点で刺殺事件は前年比で1.3倍程度に増加している可能性があると推定される。
■ なぜ刺殺事件が増えているのか? 背景にある3つの要因
- 加害者の孤立・社会的分断
家族や友人とのつながりが希薄になり、孤立する若者・中高年が増えている。
その結果、小さな不満やストレスが爆発し、突発的な凶行につながるケースが増加。 - 経済的困窮・格差の拡大
非正規雇用や生活困窮による「未来が見えない焦燥感」から、無差別的な怒りを抱えた加害者が目立つ。 - 刃物の入手の容易さと“躊躇なさ”
包丁などはホームセンターやネット通販で簡単に購入可能。
また、最近では「自制が効かない」「刺すことに抵抗がない」若年層の心理傾向も指摘されている。
■ 警察・社会はこの流れを止められるのか?
警察庁や自治体では、防犯カメラの設置強化や、刃物の不正所持への取り締まりを強化しているものの、「事件が起きてからの対応」では遅いとの批判も強い。
また、SNSや掲示板では「加害者の精神状態を“仕方ない”で片付ける風潮」や、「相談しても警察が動かない」といった声もあり、社会全体の“無関心”が犯罪を生み出す土壌になっているとの指摘もある。
■ 世界最低水準の殺人率は、もはや安全の証明にならない
日本の殺人発生率は、10万人あたり0.2件と世界最低レベル。
しかし、その「低さ」が逆に、個別の事件の衝撃度を強めており、“刺殺=異常”という認識がより深い不安感を生んでいる。
警察の統計だけで「日本は安全」と結論づけるのではなく、人々が“そう感じられなくなってきている”現実に目を向けるべきだろう。
■ まとめ:次に刺されるのは、誰か?
2025年の日本で、刺殺事件が急増しているのは事実として認識すべき兆候である。
殺人率が低くとも、「誰でも・どこでも・突然起きる」ように感じさせる事件の質的変化が、今の日本に広がっている。
「自分は関係ない」と思っていても、次に刃物を向けられるのは、あなたや大切な人かもしれない。
防犯意識、行政の早期介入、そして社会全体のつながり直しが、今こそ求められている。
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